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小売施策の基礎:CPGマネージャーが知っておくべきこと

By Manu Krishna, Director, Content Marketing at Trax

得意客でさえ、在庫切れ(OOS)あるいは売り場が間違っていると、探している商品を見つけることができません。

商品棚(棚割り)をめぐる競争が激化する中、消費者向けパッケージ商品(CPG)企業は、自社製品を目立たせるには高度なテクニックが求められるようになっています。これまで以上に小売施策の重要性が高くなり、あるいは課題も増えています。

小売施策とは何か、そしてなぜ重要なのでしょう?

小売施策とは、消費財メーカーのブランド戦略が確実に小売店で実施されるように設計されたビジネスプロセスです。簡単に言うと、適切な商品を適切なタイミングで適切な商品棚に並べることを小売施策と言います。

大まかに言えば、Plan-Do-Measure(計画実行計測)のプロセスサイクルに沿ったものです。

このプロセスでは、店舗監査や店舗でのマーチャンダイジングから関係管理まで、あらゆるアクティビティを行います。

小売施策が重要なのは、消費者の70%POP(購買時点)で購入の判断をするからです。商品が在庫切れ、思っていた売り場にない、あるいは競合の商品が魅力的なプロモーションを行っているなどの状況によっては、買い物客は考えを変える可能性があります。

小売施策が成功すれば、1つのカテゴリーで35%の売上アップを実現することも不可能ではありません。逆に言えば、小売施策に失敗すると、毎年売上の1~5%つまり数百万ドルの損失を被ることになります。

計測するべき店舗の状況

商品棚の法則(棚割り)に精通したメーカーであれば、買い物客を中心にしたGTM(市場投入)戦略に沿って、小売監査ガイドラインを確立しています。このガイドラインのフレームワークでは、ターゲットのチャネルに適切な価格で、適切なパッケージの最適なブランドを置くことだと定義しています。

大まかにいうと、店舗の監査作業リストには以下の項目が含まれます:

    • 在庫レベル(商品棚と倉庫)
    • 店舗内の売り場/商品の場所(常温または冷蔵ケース、ゴンドラまたはエンドキャップ)
    • プラノグラム(棚割り)コンプライアンス(商品棚の位置、フェーシングの数、SKUの数、欠落または不正確な商品棚タグ)
    • 店舗内のディスプレイおよびPR資材施策の質
    • 競合商品が隣接しているか、アクティビティ
    • 価格設定コンプライアンス

店舗監査を実施する担当者

各地域の小売店を定期的に巡回する専属のセールスチームを配備することで、リソースをより細かくコントロールできます。当然、チームは自社ブランドにより力を入れるため、「オーナーシップインデックス」が高くなります。  しかし、こうしたチームを指導し、モチベーションを向上するには、コストがかかる可能性があります。

一方、サードパーティのマーチャンダイジングサービス組織は、チームを構築し、トレーニングするオプションを提供します。ただし、サードパーティのパフォーマンス測定方法は、社内のフレームワークとは違うことが多く、成功を評価するには問題が発生しがちです。

誰が小売施策を担当するかに関係なく、うまく進めることができれば、単なる監査で終わらず、消費者、買い物客、顧客の動機を考慮することで、価値を獲得することができるのです。

現場のチームの作業:

    • 小売業者と良好な関係を構築することで、アカウントの製品シリーズ数をアップグレードする
    • プラノグラムの変更に関して小売業者を教育する
    • ディスプレイを設計し、冷蔵ケースを再設置し、露出を増やすよう商品を陳列する
    • マーチャンダイジングの再設定の売上への影響を測定する
    • 成功したマーチャンダイジング戦略を店舗全体で再現する

それぞれのステークホルダーが小売施策に求めるもの

現場の担当者は、売上を伸ばすと同時に、企業全体でスマートな意思決定のサポートに役立つ貴重なデータを収集します。店舗で収集したデータの重要性は強調してもしすぎることはありません。それぞれのチームでデータの使い方は違います:

小売施策を成功させるためのツール

複数のチームが来店データに依存している(また、変化に迅速に対応する必要がある)ため、営業担当者は迅速にデータを収集し、利用できる状態にしなければなりません。

問題は、回答者の44%が小売施策に手作業で対応しているため、時代遅れでエラーの多いデータが含まれているということです。リアルタイムなデータや詳細なインサイトは、営業の生産性を最大限に高め、的確な判断を行うとともに、収益成長率を向上させるために欠かせない要素です。つまり、CPGチームはこうした貴重な情報なデータを逃してしまうのです。

先進的な思考のCPGの中には、現場チームの取り組みを最適化するため、デジタル画像認識のほか、コンピュータビジョン (CV) などの高度な分析技術に目を向ける人が増えています。商品棚の画像を撮影し、画像をデジタル化してデータやインサイトを取得することで、CVは商品棚の商品のパフォーマンスをリアルタイムで表示し(また、製品が在庫切れ(OOS)の場合、陳列してあった場所、在庫切れであることが売上にどのように影響したか)CPGが迅速に問題を解決できるようにします。

また、監視を自動化することで、CV対応の監査では、監査時間を60%も短縮することができます。つまり、営業担当者が巡回できる店舗の数が増え、監査以上の価値を付加できるので、買い物客の目に付きやすい場所に自社商品を陳列する作業に集中できるということです。

その次の作業は?

小売施策を成功させるには、CPGは、包括的かつタイミングを逃さずに捉えた商品棚の状況を知る必要があります。しかし、追跡するSKUは数千件もあり、営業担当者は監査に時間を取られ、その他の重要な小売施策に集中できません。Trax Retail Executionなどのソリューションは、測定精度を向上し、完璧な店舗施策を実行するのに役立ちます。

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