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売り場データで店舗の全体像を把握できるか?

By CK Tan, Associate Director, Product Marketing at Trax

商品棚をベースとした戦略は、コンピュータ ビジョンのソリューションが売り場データを収集する際の完全性があってこそ効果を発揮します。

以前、商品棚データの正確性が重要であること、さらに厳密なデータ品質を維持することで、Traxが小売店の商品棚で高い画像認識を提供できることを説明しました。しかし、目まぐるしく変化する小売業界では、新製品やパッケージのデザイン変更が相次ぎ、正確性は一つの側面に過ぎません。小売の実施や商品棚の測定にコンピュータ ビジョン(CV)のソリューションを使用している場合、時代を先取りし、競合に打ち勝つためのカギは、データの正確性にこそあります。

正確性が重要な理由

先日閉幕したFIFAワールドカップの期間中、コカ·コーラはキャンペーンを展開。09の数字を印字した限定ボトルを発売し、ファンがSNS上でスコアを予想する「ナンバーボトルチャレンジ」を実施しました。  このようなグローバルなイベントは、あらゆるブランドマネージャーにとってまさに夢ですが、最低の悪夢になってしまうこともあります。新製品が重要度の高い店舗の商品棚に並んだかどうかを追跡するシステムがなければ、こうした費用のかかるキャンペーンでブランドが最適なROIを実現するのは難しくなります。

コンピュータ ビジョンを使って売り場データを収集しても、商品棚に新しい商品が陳列されたかどうかを認識するのは簡単な作業ではありません。新しい製品だけでなく、質の悪い画像、来店データの不正入力、画像の重複など、さまざまな原因により不完全なデータが生成されることもあります。データが不完全だと、認識やデジタル化プロセスの結果の精度が低くなり、その結果、商品棚指標のレポート作成に影響が出る可能性があります。

変化の激しい商品棚データの完全性を確保 

  1. 新製品またはデザイン変更された製品を自動検出新製品の発表は、CPG企業のチームにとって生命線であり、ブランドが時代に呼応した存在であり続けるには重要な要素の一つです。同時に、既存製品の新デザインも必要です。ソリューションプロバイダーにとって、時代にそぐわないSKUデータベースは認識エンジンのパフォーマンス低下の原因になり、一貫性のないデータや不完全なインサイトにつながる可能性があります。

    こうしたトラブルを防ぐため、Traxではきめ細かく設計されたアルゴリズムをベースとした継続的な監視サービスを開発し、アクティブな学習エンジンで実行しています。つまり、新しい製品やデザインをシステムが検出すると、参照データを使用して製品の識別情報(ID)の推定と検証が行われ、データベース上で更新されます。

    その成果はどのようなものでしょう。ユーザーは、新しいパッケージデザインや新製品を追跡し、競合他社が発売する新製品情報をいち早く把握することができます。

     

    1. 自動検出

      新しいSKUまたはデザインは、アクティブな学習エンジンによって、商品棚の画像から自動的に検出されます。

    2. データ収

      検出されたオブジェクトの参照データをTraxが収集します。

    3. 検証と承認

      参照データを用いてオブジェクトを検証し、顧客に送信して承認を受けます。

    4. エンジンのアップデー

      SKUデータベースが更新され、認識エンジンに参照画像が読み込まれます。

  2. 自動異常検出

    画像認識により、売り場データの収集は容易になったものの、実際に効果を出すには、画像取得に関連する異常やエラーに影響を受けない(免疫のある)小売実施ソリューションが必要です。現場のユーザーは、商品棚の同じセクションを何度も撮影したり、あるいは売れ行きの良さを示す視覚的な証拠として、誤った画像を不正にアップロードすることもあります。このような事態を防ぎ、確実に完全なデータを収集するため、Traxではすべてのセッションを監視し、欠陥や障害を特定すると同時に、不完全、あるいは重複したキャプチャを検出し、さらに写真のGPSを既知の保存場所と照合する「教師なしの学習エンジン」を開発しました。

  3. 包括的な商品棚キャプチャを実現する拡張現実

    買い物客が歩き回り、ショッピングカートを押すなど、妨害になる要因も多いため、すべての通路を端から端まで把握するのは、簡単なことではありません。店舗での手作業による監査も、二重カウントなど、人為エラーが発生する原因になります。こうした問題に対処するべく、Traxでは拡張現実機能の没入感を活用。ユーザーがキャプチャしきれていない商品棚のあるエリアにフラグを立て、中断されたポイントから監査を再開するよう誘導します。

店舗の全体像を把握

確信を持ってビジネス上の意思決定を行うためには、画像認識でキャプチャし、収集されたデータがクリーンで完全、かつエラーがないことが条件です。画像キャプチャの柱として、完全性を備えた厳格なデータ品質の実施チェックは、店頭在庫や商品棚のシェア率など、商品棚指標の計算とレポート作成の基盤となるものです。

この動画では、Traxがコンピュータ ビジョン プラットフォームで高いデータ品質をどのように確保しているかを紹介しています。